【27】無効資料調査 ~審査情報・審判情報を調査する~

一般的な特許検索を行っても無効化につながる特許が見つからなかった場合、無効化したい特許やパテントファミリーの審査や審判の過程で引用された文献や、検索で見つかった類似特許や関連特許の審査情報などを調査する方法がある。

事業の障害となる特許を潰すために、一般的な特許検索を行っても無効化につながる特許が見つからなかった場合、当該特許の審査や審判の過程で引用された特許文献を出発点として、調査する方法がある。

具体的には、無効化したい特許の審査情報や審判情報を調査する。

調査方法については、以下を参照ください。

【9】無効資料調査の前段階(1)その時点で有効な特許請求の範囲の確認

http://patent.mfworks.info/2018/10/28/post-1275/

【10】無効資料調査の前段階(2)審査書類や審判書類の入手

http://patent.mfworks.info/2018/11/11/post-1606/

審査の過程で情報提供された特許文献や拒絶理由通知書等で引用された特許文献、審判の過程で異議申立人や請求人が引用した特許文献をもとに調査する。

無効化したい特許は、こうした特許文献を回避して権利化されているため、それらの文献のみで無効化することは難しいと思われる。

そこで、引用された特許文献の審査情報を調べ、審査の過程で引用された文献をチェックする。検索ではヒットしなかった関連文献が見つかることがある。

また、当該特許が海外に出願されていれば、パテントファミリーの審査情報を見て、日本の審査では取り上げられていない引用文献が見つかる可能性もある(【10】無効資料調査の前段階(2)審査書類や審判書類の入手 http://patent.mfworks.info/2018/11/11/post-1606/)。

例えば、特許を巡る争い<13>サントリーホールディングス株式会社・ナトリウム含有飲料特許(http://patent.mfworks.info/2019/06/24/post-2457/)で取り上げた特許第6302366のパテントファミリーを調べてみる。

JPlatPatのワン・ポータル・ドシエ(OPD)照会を使って照会すると、ファミリー件数が6件で、以下のような一覧表が表示され、“各種機能”をクリックすれば、それぞれの出願・審査関連情報を入手できる。

国・地域コード 出願番号 出願日 公開番号 登録番号 各種機能
JP JP.2014128365.A 2014-06-23 JP.2016007149.A JP.6302366.B2 経過情報分類・引用情報書類一覧 開く
EP EP.15811049.A 2015-06-23 EP.3158876.A1
EP.3158876.A4
分類・引用情報書類一覧 開く
US US.201515315448.A 2015-06-23 US.2017196242.A1 分類・引用情報書類一覧 開く
CN CN.201580026190.A 2015-06-23 CN.106413419.A 分類・引用情報書類一覧 開く
WO JP.2015067966.W 2015-06-23 WO.2015199053.A1 分類・引用情報書類一覧 開く
AU AU.2015281893.A 2015-06-23 AU.2015281893.A1 分類・引用情報書類一覧 開く

一般的な特許検索で見つかった類似特許や関連特許について、その審査経過や審判経過で引用された文献を調査することで、無効化につながる文献が見つかる場合がある。

審査情報・審判情報をもとに無効化資料を見つけていく場合、類似特許や関連特許を見つけるための検索では、検索対象期間は無効化したい特許の出願日より前の期間に限定する必要はない。

出願日以降に出願された特許であっても、その特許の審査での引用文献の公開日が無効化した特許の出願日以前であれば使える。

したがって、検索期間を無効化したい特許の出願日以降も含めるようにすることで、無効化に使える資料やヒントが見つかる場合がある。