【10】無効資料調査の前段階(2)審査書類や審判書類の入手

審査書類や審判書類を入手し、解析することによって、既に行われた先行文献調査の内容が確認できるだけでなく、特許請求の範囲に書かれた文言の解釈の情報などが得られる。

最新の特許請求の範囲の確認とともに、審査書類や審判書類を入手したい。

審査や審判での検索報告書、拒絶理由通知、取消理由通知、

無効理由通知書意見書・手続補正書などを閲覧し、

解析することによって得られるのは、

既に行われた先行文献調査の内容だけでない。

特許請求の範囲に書かれた文言の定義

どう解釈すべきかついての情報が得られる。

審査段階であれば、権利化されるかどうかや

権利範囲がどうなるかの見通しを得るための判断情報が得られる。

閲覧請求の数や情報提供の状況からは、他社の動きが分かる。

審査書類(検索報告書、拒絶理由通知書、意見書、手続補正書、拒絶査定通知書、

応対記録、面談記録等)は、

JPlatPatの「審査書類情報」で閲覧できる。

閲覧請求や情報提供(刊行物等提出書)は、

JPlatPatで手続きの有無は確認できる。

しかし、

情報提供(刊行物等提出書)は審査書類ではないので、

JPlatPatでは書類は閲覧することができないが、

インターネット出願ソフトを利用してオンライン閲覧請求できる。

オンライン閲覧請求できる機器が無い場合や、閲覧請求者の名前を出したくなければ、

業者に取り寄せを依頼する。

(第一節 出願書類等の閲覧及び交付

http://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11218880/www.jpo.go.jp/shiryou/kijun/kijun2/pdf/syutugan_tetuzuki/06_01.pdf

審査書類情報照会 照会可能な主な書類一覧

https://www10.j-platpat.inpit.go.jp/pop/HELP/japanese/pfwj/database_index_2.html

オンライン閲覧の概要 https://www.jpo.go.jp/tetuzuki/pcinfo/outline/procedure/online_insp.htm)。

また、

審判書類については、JPlatPatで閲覧できるのは、

審決後発行される「審決速報」と「審決公報」で、審判書類は閲覧できない。

審判書類は特許庁に出向けば閲覧できるが、

閲覧者名が残るので、

複写してくれる業者に依頼して入手するのが無難である。

(審決情報の提供(審決速報、審決公報DB)

https://www.jpo.go.jp/torikumi/t_torikumi/sinnketu_info.htm

知財審判・訴訟情報調査入門~無料入手可能なソースを中心に

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jkg/66/7/66_325/_pdf)。

包袋書類(特許庁に対する手続き書類)の閲覧で注意すべき事項①

http://tmt-law.jp/2013/09/27/1993

包袋書類(特許庁に対する手続き書類)の閲覧で注意すべき事項②

http://tmt-law.jp/2013/09/28/2022)。

「邪魔な特許」が国際出願や海外出願されていれば、

それらの出願(いわゆる、パテントファミリー)の国外での審査情報や審判情報

およびそれらに関する書類を入手することにより、

日本国内での審査や審理の予測に活用できる場合がある。

パテントファミリーの有無は、

JPlatPatのワン・ポータル・ドシエ(OPD)照会やEspacenetなどで

調べることができる(JplatPat ワン・ポータル・ドシエ(OPD)照会

https://www10.j-platpat.inpit.go.jp/pop/all/popd/POPD_GM101_Top.action

パテントファミリー https://worldwide.espacenet.com/help?locale=jp_EP&method=handleHelpTopic&topic=patentfamily

Espacenet  Patent search 経過情報 https://worldwide.espacenet.com

Espacenet 検索ミニガイド

http://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11218880/www.jpo.go.jp/index/kokusai_doukou/iprsupport/miniguide/pdf/patent_espacenet.pdf)。

国際出願されると、国際予備調査報告書「サーチレポート」が公開される。

出願人が指定した機関での当該特許出願に関する先行文献調査結果が掲載されており、

特許性(新規性や進歩性等)についての見解が記載されている。

出願人は、それを見て、手続補正(いわゆる19条補正)する場合がある。

(国際調査及び国際予備審査

http://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/11218880/www.jpo.go.jp/torikumi/ibento/text/pdf/h29_jitsumusya_txt/09.pdf

国際出願された特許の経過情報は、PATENTSCOPE等で見ることができる。

https://patentscope2.wipo.int/search/ja/content.jsf  https://patentscope2.wipo.int/search/ja/search.jsf)。

国際出願された特許が各国への移行手続後や直接、各国に出願された場合は、

主要国であれば各国特許庁のウエッブサイトで審査書類を入手可能であるし、

JPlatPatのワン・ポータル・ドシエ(OPD)照会や

EspacenetのDossier情報でも入手できる。

審判情報については、以下の文献に主要国での入手方法がまとめられている。

「IP5各庁提供データベースでの異議申立・無効審判の調べ方」

https://www.soei.com/wordpress/wp-content/uploads/2016/04/76%E7%9F%A5%E8%B2%A1%E6%88%A6%E7%95%A5%E3%81%AE%E6%83%85%E5%A0%B1.pdf

「知財審判・訴訟情報調査入門~無料入手可能なソースを中心に」

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jkg/66/7/66_325/_pdf